Facebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)は、日本の人気SNSランキングでも必ず上位に入るプラットフォームです。今や生活の一部といえるこれらのSNSへの広告配信を統合管理できるFacebook広告(現在の正式名称はMeta広告)は、ECサイトやWebサービスを提供する企業にとって重要な販売チャネルとなっています。
一方、膨大な情報が流れていく中でユーザーの目を引くには、広告クリエイティブの工夫が不可欠です。そこでこの記事では、さまざまなブランドのFacebook広告の成功例を集めました。ぜひ、あなたのブランドのマーケティング戦略に役立つヒントを見つけてください。
1. スマホ向け広告でコンバージョン増加に成功した京都やまちや
京都やまちやは、京都の素材にこだわった健康食品や健康用品を販売しています。
ブランド認知の拡大を目指して、FacebookとInstagramそれぞれで広告を配信しました。多彩なフォーマットを活用できるFacebook広告の特徴を活かしつつ、広告クリエイティブはスマホで見られることを念頭にデザインした写真・動画を活用したと言います。
また、AIが効果の高い配信先を自動で選んでくれる「自動配置」機能を使用し、サイト訪問者と購入歴のあるユーザーに対してリターゲティング広告も行いました。
こうした取り組みにより、コンバージョンを45%も増加させることに成功しました。
2. ターゲティング機能を利用した広告で購入率増加に成功したOisix
Oisix(オイシックス)は、安心安全な食品をオンライン販売と宅配事業で提供しています。
メインターゲットが30〜40代の主婦層と明確だったため、Facebook広告のターゲティング機能を利用し、年齢や性別、さらに興味関心に基づいたパーソナライズドマーケティングを行いました。さらに配信の開始後も、関心を持ってもらえそうな潜在顧客に絞りながら広告の最適化を進めた結果、お試しセットの購入率は7.6倍に向上し、ECサイトの新規訪問者数も1.7倍と大きく増加しました。年齢や性別、興味関心、職業、地域など、デジタルマーケティングに必要な属性情報を登録しているユーザーが多いことは、Facebookの特長であり、効率的な広告配信ができる理由です。
また、彩良く盛りつけた料理の写真と共に、生活のどのような場面でOisixのサービスが役に立つかを想像させるコピーで訴求するなど、購入後の生活の質の向上をイメージさせる工夫も成功の要因と言えるでしょう。
3. プレゼントと組み合わせてウェブサイトへの誘導に成功したワールド・ファミリー
ワールド・ファミリー株式会社は、ディズニー英語システムを始めとする児童向け英語教材を提供しています。
同社は、プレゼントキャンペーンとFacebook広告を組み合わせたことで、ウェブサイトの訪問率及びコンバージョン率の向上を実現しました。新規顧客獲得を目的としたこのキャンペーンでは、当選者が受け取れる商品や教材の豪華さや内容の充実ぶりを訴求できるよう、開封シーンや親子で学習している場面の動画などを広告に活用しました。
また、広告だけですべての情報を伝えるのではなく、詳細を掲載したキャンペーンページへのアクセスを促すコピーも入れています。さらに、既存の顧客データをもとに属性などの類似したユーザーを対象とし、ターゲット市場を絞って配信したことで、ウェブサイト訪問率19%増加及びコンバージョン率2.4倍増につながりました。
4. 既存顧客とは異なるターゲット層の獲得に成功したアールビバン
アールビバン株式会社は、アートのある心豊かな生活を広めることを目指し、全国各地の展示会で、比較的手の届きやすい版画作品を販売しています。
同社は、従来の広告ではリーチできなかった層の集客を目的にFacebook広告を活用し、イベントへの来場者数拡大を実現しました。展示会の内容が開催地ごとに異なるため、関心を持ちやすいターゲットを地域別に設定しています。その際、年齢や性別といった属性はあえて限定せず、幅広いユーザーに広告を配信することで認知拡大を進めてきました。
また、申込みに至らなかったユーザーへのリターゲティング広告や、ウェブサイトとFacebookのデータ連携による最適化、「入場無料」や「来場者プレゼント」といったFacebook広告経由で来場予約を行うメリットの訴求などの施策も行っています。これらの手法を継続的に行った結果、ウェブ経由の集客数は前年比で2.5倍に伸びたと言います。
5. ABテストで費用対効果の向上に成功したフジボウアパレル
株式会社フジボウアパレルは、企画・生産・販売まで一貫した体制で高品質なスポーツインナー等を提供しています。
同社はFacebook広告で、訴求内容の異なる複数の広告を同時に配信し、その効果を比較することで最も費用対効果の高いクリエイティブを特定しました。テストは5日間にわたって行われ、広告メッセージや訴求する製品の魅力をそれぞれ変化させています。
たとえばこのABテストのなかでは、スポーツインナーの機能性を強調した動画広告と、有名な日本人アスリートを起用した動画広告の効果比較を行ったそうです。配信先となるユーザーのターゲティングとも組み合わせた結果、コンバージョン率は2.4倍に増加する成果が得られました。
6. 顧客獲得単価を削減することに成功したリノベ不動産
リノベ不動産は、中古物件を顧客の希望に合わせてリノベーションし、販売しています。
同社は、Facebook広告の運用を見直すことで、顧客獲得単価を50%も削減するという成果を上げました。そもそも中古リノベーションそのものが知られていないという背景から、認知拡大と潜在顧客獲得を目的に設定していました。そこで既存顧客などのデータをもとに配信先を決定するカスタムオーディエンスと、そこから属性の似たユーザーへ広げる類似オーディエンスを活用し、潜在顧客を抽出することで全国に向けた広告配信が可能な土台を構築しました。
また、広告には実際に同社が手掛けたリノベーション住宅を採用し、新築購入よりもコストを抑えて理想の住まいを実現できる中古リノベーションの魅力を視覚的に訴えました。これが、ユーザーの理解と関心の促進につながりました。キャンペーン予算の最適化機能も活用することで運用工数も削減され、Facebook広告の利用前と比べて問い合わせ件数は85%増加し、同時に顧客獲得単価の大幅な改善を実現したと言います。
7. コンバージョンAPIを利用しターゲットの明確化に成功したSANGACIO
SANGACIOは、日本の技術とイタリアの創造的なデザインを融合させた日本発のスニーカーブランドです。
同社は、ウェブサイト上で発生した成果データをサーバー経由でFacebookに直接送信できるAPIを導入し、2種類の異なる顧客層で売上コンバージョンの差を検証しました。
その結果、サイト上で過去に多様な行動履歴がある顧客は、購入のみを行った顧客と比べて売上コンバージョンが2.9倍となることが判明しました。そこで動画広告の配信先をこのターゲット層に絞りこんだところ、顧客獲得単価を大幅に抑えることができました。
8. ダイナミック広告でコンバージョン向上に成功したフェリシモ
フェリシモは、自社オリジナル商品を中心にECサイトで生活雑貨や美容商品など、多岐にわたる商品を販売しています。
同社は従来、自社ECサイトと親和性が高いと考えられるユーザーに対して、FacebookおよびInstagramで広告配信を行っていました。しかし新規顧客の獲得を拡大するため、より広い層へのリーチを目指すことになりました。そこですでに行っていたリマーケティング広告に加え、新たにFacebookダイナミック広告を組み合わせて配信しました。
ダイナミック広告では、まず自社ECサイト内での購入行動を基にカスタムオーディエンスを設定し、さらに他社が提供する類似サービス内での潜在顧客の行動を基に自動最適化を行いました。また、複数の広告クリエイティブを配信できるカルーセル形式を採用することで各ターゲットに最適な商品情報を表示させるようにしたと言います。これらの施策により新規顧客の獲得数が増加したうえ、コンバージョン率は65%向上し、顧客獲得単価が28%削減できたとのことです。
まとめ
Facebook広告は、ブランド認知度の向上やウェブサイトへの集客に効果的で、コンバージョンや顧客獲得単価の改善にもつながる広告配信プラットフォームです。初心者でも簡単にECサイトを開設できるShopify(ショッピファイ)は、FacebookやInstagramとの連携も可能です。商品カタログや顧客リストを同期させ、スムーズな広告の作成や管理を実現します。まずは無料体験からのスタートも可能ですので、お気軽にお試しください。
よくある質問
Facebook広告は効果がありますか?
適切な戦略とともに運用すれば、Facebook広告は大きな効果を発揮します。FacebookやInstagramは日本国内でも人気の高いSNSであるため、多くの潜在顧客にアプローチできる可能性があります。
Facebook広告に盛り込むことのできるクリエイティブ要素は?
Facebook広告は、写真や動画など多彩なフォーマットで配信できる点が特徴です。そこには、広告コピーや画像、CTA(コールトゥアクション)、ランディングページへのリンクなどを盛り込むことができます。
Web広告と比較してFacebook広告の優れている点は何ですか?
Web広告と比較してFacebook広告の優れている点は、年齢や性別、興味関心、職業、地域、SNS上での行動データなどの情報をもとに、ターゲティングができることです。これにより、コンバージョン率の増加や顧客獲得単価の削減などにつながりやすくなります。
文:Kyoko Kitamura





